Daydream Believer 3日目 - 炭鉱三昧 -

fj_saf12006-08-25


8月17日 6:30

目覚めると頭がガンガンする。昨晩飲みすぎた影響だろうか?それともフェリーの揺れのせいだろうか?
メンバーからの朝食の誘いを断り、水分だけを口にする。
目覚めてから間もなくフェリーは新門司港へ入港した。
慌ただしく荷物をまとめ、デッキに出る。雲の隙間から朝日が覗くが、同時に雨もパラついている。


台風11号が接近している影響か、天候は不安定だ。九州の南から近づく台風が湿った空気を運んできている。
無事に接岸し、フェリーを降りると雨は上がっていた。外の空気を吸うと二日酔いも多少は和らいだ。




早速移動を開始する一行。
軍艦島を目指し長崎県へ向かう予定だが、道中の目ぼしい廃墟に立ち寄るプランだ。

8月17日 8:30 K炭鉱

九州一発目の廃墟、目指すはK炭鉱だ。しかし、所在地は不明。
大まかな場所と、赤レンガの建物だという情報だけが頼りだ。とにかく、Kという土地に近づき、聞き込みを開始する。
始業前の郵便局に立ち寄ると、出勤途中の郵便局員に遭遇する。この地域の地理情報に詳しいはずだ。
そして、いきなり有力な情報を手に入れることができた。郵便局員の情報通りに道を進むと、あっさりとK炭鉱に辿りつく。

「赤レンガ+ツタ」の見事なコラボレーションを僅か5分ばかり堪能した。外観の撮影のみ行い、早々に撤退する。



8月17日 10:00 S炭鉱

S炭鉱へ到着する。この物件は公園の中心に鎮座する巨大物件で、廃墟というよりは街のシンボル、またはオブジェと言う方が近いかも知れない。
近くからアップ目に撮ったり、少し引いた場所から町並みを入れて撮ったりと、いろいろ試す。




見る角度、日差し、雲、周辺の風景等、様々な表情を見せてくれる。
今のところ、雨は降っていないが、気温がグングンと上昇し湿度も高く、汗だくになっての撮影だった。
小一時間程滞在し、S炭鉱を後にする。

8月17日 13:00 M炭鉱

さらに2時間の移動を経て、M炭鉱へ到着する。
近くには炭鉱の資料館があり、炭鉱の歴史や、創業当時のモノクロ写真、現役時代に使用された器具などが展示されていた。
ここは見所が非常に多く、赤レンガ、ツタ、鉄錆び、木造建築、坑道などが惜しげもなく放置されている。


外壁はもちろん、内部にも現役時代を想像させる遺留品が残されている。


イタズラや落書きもなく、自然に、穏やかにひっそりと朽ちようとしている。
まさしく極上物件。美しい、ひたすら撮影していたい・・・
が、好事魔多し。突然の豪雨に見舞われる。台風の脅威が徐々に九州北部に押し寄せてきている。
やむなく撮影を切り上げ、再び移動することになる。



行き先の決定は廃墟に詳しいメンバーによるアドリブにより決定している。
軍艦島へ向かうということだけは決定事項だったが、台風が九州南部に上陸しようかという現状。
雨は降ったり止んだりを繰り返えしているが、問題は波の高さだ。
旧州全域に波浪注警報が出されている。台風の接近・上陸により、状況は今後も悪化することが容易に想像できる。
現在は、北九州から南下し熊本にいるのだが、軍艦島到達へ僅かな望みを抱きつつ、再びフェリーに乗る。
有明海は内海のため、今のところ波は殆どなく、問題なく出航できるようだ。
ここまでの疲労からか、40分程の航路の殆どの間、メンバー全員ベンチと同化した。


つづく