STRAIGHT AFTER A BATH - ボディーソープ編 -
続きものの第四話です。
破られたドアのロックレバーに手を掛け、捻ろうとする。
カチッ、カチッ。
右に回せど、左に回せど、押そうが引こうがレバーが動かない。
と、次の瞬間、緊張が走る!
ブォーン・ブォーン・ブォーン・・・・
どこからともなく、低音が一定の間隔で響き渡る。
その音の意味を理解するのに時間はかからなかった。
どう見ても機械警備です。
本当にありがとうございました。
躊躇なくその場を離れる。
30秒程で敷地外のセーフティーゾーンに離脱する。
深追いは禁物。これ以上の探索は危険だと判断し、切り上げることにした。
一人での探索は恐いというか、心細いものだが、自分の判断を行動に直結できるのが良いところだ。
一般道まで出て、車まで徒歩で戻る。
朝日が昇り、気温も高まる道中。車の通りも多くなってきている。
長袖長ズボン、軍隊のようなブーツにゴーグルとヘッドライトを首にかけている。
これは恥ずかしい。特に地元とあって、万が一知り合いに発見されたら痛すぎる。
コソコソと足早に車へと戻る。
コンビにまで移動し、一息いれる。
海から吹きつけられてくる霧が朝日を柔らかに包む。
時刻は、まだ5時30分。
想像以上の早期撤退により、これから何しようかと途方に暮れる。
とりあえず、仮眠するか。そういえば昨晩は一睡もしていなかった。