STRAIGHT AFTER A BATH - シャンプー編 -

fj_saf12006-08-09



第一話


続きものの第二話です。


お盆に帰省できないため、帰省を兼ねて廃入浴施設に向かうプラン。
深夜2時に出発し、アクアラインを超えて房総半島へ上陸する。
今回も突発的な一人旅とあって、高速料金が手痛い。


走ること2時間。迷うことなく廃入浴施設に到着した。
時刻は4時30分。夜明け間近の薄明るい時間帯の入浴施設は堂々として、壁面の劣化も少なく
落ち着いた佇まいを見せていた。貴乃花の引退会見の姿とダブった。


不気味な威圧感に躊躇しつつも、長袖長ズボンの戦闘服に着替え、リュック・ウェストポーチを装着。
カメラを三脚にセッティングし、探索に行動に出る。


とにかく、雑草の伸び方がハンパじゃない。
身長170センチの自分のアイポイントから撮影。雑草は2メートルを超える。


その雑草の中には、くもの巣、アブ・ブヨ・ウスバカゲロウなどが犇く。
雑草の枝には白い粘液状の虫の卵やなどが産み付けられ、完全防備の装備をしていても不快極まりない。


それでも「みんなみんな〜生きているんだ、友達な〜ん〜だ〜」と、自分を鼓舞して雑草を掻き分け、つき進む。
程なくして、大きなガラス張りの浴場が現れた。


実際に入浴したことのある浴場。
「当時は綺麗な風呂だな〜」程度にしか思っていなかったが、改めて見ると、非常に洗練されたデザインであることに気づく。



タイル・オブジェ・支柱・天窓・照明・手すり。細部までにおいてチープさがない。美しい。
青と白を基調とした統一感のあるデザインコンセプトは、天国・楽園・真夏のリゾートといったものであろう。
沢山の汗を荒い流した浴場を、汗だくの姿で見つめる。


ウェストポーチからスーパーH2Oを取り出し、口にする。
僕はアイソトニックよりハイポトニックだ。


つづく