STRAIGHT AFTER A BATH - 脱衣編 -
2006年、夏。某日。
とある廃墟を扱うウェブサイトにアップされていた写真を眺めていたとき、俺の人差し指の動きが止まった。
次に出た言葉は、
「な、なんだってーーー!!!」
ディスプレイには見覚えのある風景。
映し出されていたものは、実家から車で10分程の距離にある入浴施設(純粋な意味の入浴)だった。
入浴施設が潰れたという事実をこのような形で知ることになり、驚きを隠すことができなかった。
再び人差し指を動かし、一枚一枚の写真と自分の記憶を照らし合わせながら写真を眺めた。
建物の中まで生々しく撮影された写真を見つめる。
入浴の決意と準備をはじめるのに、それほど時間を必要としなかった。
一ヶ月前に買ったデジタル一眼レフカメラのバッテリーの充電が終わった。
バッテリーをカメラに差込み、レンズを装着する。
ファインダーを覗き部屋のカーテンにフォーカスし動作確認を終えた。
これが俺のタオルだ。
そして長い入浴タイムが始まる・・・
「人生は小説より奇なり」という言葉がある。
この行動が「巨大な謎」を解く発端になることは、知るよしも無かった。