BACK TO THE RUINS -廃墟調査編 〜Dエリア〜-


完結編。

Dエリアを目指す [2006.05.12] 11:00〜

Dエリアへの侵入は早々に諦めざるを得なかった。
海沿いは太平洋の黒潮に阻まれ、山を登ろうにも断崖絶壁。
CエリアからDエリアへの移動を断念し、我々は反対方向から迂回ルートを模索することになった。

休憩 [2006.05.12] 11:30〜

ここまでの調査で相当な体力を消耗したため、昼食休憩をとことにした。
Bエリアの海岸まで引き返し、岩場に腰を下ろし、爽やかな潮風を浴びながらそれぞれ準備した食料を摂る。


俺の昼食は、コンビニ調理パン界の重鎮、永遠の定番「まるごとソーセージ」だ。
3分の1程食べ終え、左手にパンを持ったまま、右手を「おーいお茶 濃味」に手を伸ばしたその刹那、
俺の左頭部を掠めるように何者かが物凄い速さで通り過ぎた。
「ウォォー」
再び俺は叫んだ。失禁寸前だった。
何と、俺の「まるごとソーセージ」が上空からトンビに強奪されたのだ!
俺の背後、完全な死角からの急降下、一瞬の出来事だった。
「トンビに油揚げを・・・」という表現があるが、現代はトンビがまるごとソーセージを奪う贅沢な時代なのだ。
しかし、トンビはパンを掴み損ね、まるごとソーセージは俺の目の前5メートルに転がった。


「なんで俺だけ痛い目に逢うんだ・・・」
アンラッキーな出来事はことごとく俺をピンポイントで狙い打つ。
ついてない日だ・・・こんな日もあるか・・・そう思った瞬間のことだった!
「ウォォー」
再び俺は叫んだ。今日何度目の絶叫だろうか・・・

再び、何者かが俺の左頭部を高速で掠めて行った。
トンビが再び、俺の目の前5メートルに転がるまるごとソーセージを、ご丁寧に俺の脇を急降下ですり抜け、持ち去っていった。
俺の背後、完全な死角からの急降下、一瞬の出来事(ry


奇跡的にツイてない一日だ・・・
俺の腹は全く膨れていなかったが、リュックの中にもう一つあるパンを取り出す気にはなれなかった。
ナワヤ隊員とタナカ隊員はゲラゲラ笑っていたが、俺は内心穏やかではなかった。
ケムシ付きの服を着て、トンビに二度も襲われ、昼食も奪われた人間の心中を察してもらいたいものだ。デリカシーが無さ過ぎるゼ。

Dエリア再攻略 [2006.05.12] 12:00〜

気を取り直してスタート地点まで戻り、反対側からDエリアの攻略を試みる。
しかし、やはり荒波が行く手を阻む。
最終手段として、auの携帯電話のGPSを使用して、山道からDエリアへの侵入を試みることに。
急な上り坂、道なき道を草を掻き分けて進む。GPSで時々位置を確認する。
疲労の蓄積で隊員達の言葉も少ない。俺もカメラのファインダーを覗く気力もなくなっていた。

ようやくDエリアを見下ろせる所まで上り詰める。生い茂った木々の隙間から僅かにDエリアの様子を覗き見ることができた。

そこには・・・

重機とビニールシートや鉄骨が見えた。
開拓工事の手がDエリアに及んでいる・・・
おそらく、そこにあったであろう工場は全て取り壊されてしまっているのだろう。


もうこれ以上、調査できることはない・・・
落胆しつつの下山。足取りは重かった。
それでも、充分な調査結果を得ることができたし、この貴重な体験は、隊員にとって大きな財産だ。
胸を張って帰ろう。

Dエリアまとめ


A・B・Cエリアの戦跡史が保持されるのを願う。<<つづく>>